Bookレビュー2012-vol.5 石渡嶺司・山内太地『アホ大学のバカ学生』
アホ大学のバカ学生 グローバル人材と就活迷子のあいだ (光文社新書)
- 作者: 石渡嶺司,山内太地
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/01/17
- メディア: 新書
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大学ジャーナリストと大学研究家による著書。
学生のことよりは、大学について重点的に書かれている。
特に、大学名の変更や、無意味なグッズ配布、高校校長のOBを高校訪問担当として採用していることなどの、受験生集めに関する空回りについての指摘は、大学研究家ならでは。
一方で、改革に成功した大学や、ユニークな教育活動を実施している大学などは前向きに評価されていて、宣伝ではなく客観的、具体的書かれているので、高校生や保護者にはオススメ。
また、過去50年ほどの「大学生史」も読み応えがあって面白い。
ただ、章立ての流れが悪く、内容も少し拡散しすぎている気がする。
新書というよりは、複数の連載コラムをまとめて読んでいるような感じ。
そのため全体としての主張もぼやけてしまっているけれど、きちんと手間隙をかけて学生を育てることと、そのための教育内容をきちんとアピールすることが、これからの大学の命運を分けるのだろう。