Bookレビュー2012-vol.31 ダンカン・ワッツ『偶然の科学』

偶然の科学

偶然の科学

「予測」というのが世の中にあって、それが何の頼りにもならないことは、リーマンショック東日本大震災で明らかだ。

もう一つは「解釈」というのがあって、過去に起きたことを分析し、意味づけをする。
けれど、それは起こった後になって「原因はこれだ」という解釈をするだけのことで、その原因があったら絶対にそれが起こるわけではない。つまり、解釈をしてもほとんど意味はないのだ。

本書では、「偶然」をテーマに「未来の予測」と「過去の解釈」という手法を否定する。
その対案として提示しているのは、起こっている「現在」にリアルタイムに対応することだ。
つまり時間幅を短くすることで「偶然」が入り込む余地を少なくすることが、効果的なのである。

この観点からは、いわゆる「PDCAサイクル」のうち、「Plan」と「Check」が否定されているように読める。
しかし、そのサイクルの回転を早くすることで、やはり偶然の入り込む余地を少なくすることは可能だろう。