Bookレビュー2011-vol.50 内田樹『最終講義』

最終講義?生き延びるための六講 (生きる技術!叢書)

最終講義?生き延びるための六講 (生きる技術!叢書)

本書で語られているのは、教育論だ。

しかし、「どのように教育すべきか」という教師向けの論ではない。
また、「どのように学ぶべきか」という学習者向けの論でもない。
「どのような教育制度であるべきか」という制度論でもない。

上記の内容は含まれているのだが、それは本旨ではないだろう。
そして、多くのページが割かれている「私(内田樹本人)は何を学んできたか」ですら、本旨からは距離がある。

おそらく、それらのテーマを線でつないだときの、その「相互をつなぐ線」そのものが、本書の本旨である教育論だろう。
つまり、教育とは「相互関係」なのだ。