Bookレビュー2011-vol.54 井伏洋介『月曜の朝、ぼくたちは』

月曜の朝、ぼくたちは (幻冬舎文庫)

月曜の朝、ぼくたちは (幻冬舎文庫)

青春小説とあるが、主人公たちは30歳を目の前にした同級生だ。
それぞれの道を歩んできた彼らが、7年ぶりに交錯する。

彼らはそれぞれ、過去を引きずって生きている。
本来であれば、大学を卒業したときに訪れるはずだった「月曜の朝」は、彼らにはまだ訪れていない。

しかし、ある同級生からのメッセージが、彼らを前に向かせることになる。
それは、自分たちの弱さを受け入れることだった。

そのときに彼らが手に入れるのは、思い描いた理想の人生ではないけれど、まぎれもなく「月曜の朝」なのだ。