Bookレビュー2012-vol.65 イケダハヤト『年収150万円で僕らは自由に生きていく』

年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)

年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)

いろいろ叩かれているみたいなのだけれど、まともな内容だと思う。
「年収150万円」とか「自由に生きる」とかは内容と関係なく、内容と関係がないタイトルにしてしまったのはどうかと思うけれど。

ポイントは「お金を相対化しよう」ということにあるのだろう。

お金はそもそも交換レートなので相対的なものだったのに、社会の発展によってあまりにも分業が進んでそれぞれが距離的に離れてしまったので、物理的な問題が大きくなり、お金がないと欲しいものが手に入らなくなった。
お金がないと欲しいものが手に入らないので、お金が絶対的に必要になる。

けれど、「別の交換レート」を使って、欲しいものが手に入る状況になれば、お金を相対化できる。
何かを手に入れるには「代わりの何か」が必要だけれど、それはお金である必要はない。
「お金でしか手に入らないもの」もあるし、「お金では手に入らないもの」もあるし、お金でなくても手に入るもの」もある。
そういう状況で、「お金しかない」というのはそれほど良いものではない。