[bookレビュー]bookレビュー2011-Vol.30 三崎亜記『海に沈んだ町』

海に沈んだ町

海に沈んだ町


『となり町戦争』の三崎亜記の連作短編集。


「町」をテーマに、それぞれがゆるやかな繋がりを持って描かれる。


この本を読んで感じたのは、三崎亜記は、「現代の星新一」ではないか、ということだ。
この物語には、奇想天外の設定と、シュールな展開、そして、人間の本質的な愚かさが描かれている。


「大量発生した巣箱」「政府から保護指定を受けたニュータウン」などは、まさに「星新一的SF」と言える。


それに加え、三崎亜記が書く小説には、心の動きがある。
それは、明文化はされなくても、読む人の心を微かに振るわせてくれる。