Bookレビュー2011-vol.47 マッキンゼー・アンド・カンパニー責任編集『日本の未来について話そう』

日本の未来について話そう

日本の未来について話そう

マッキンゼーの編集による日本への提言集。
著者のリストは最後に挙げるが、コンサルタントや経営者からスポーツマンや漫画家まで、多様な、また場合によっては正反対な意見が寄せられている。

それでも、共通項はある。

まず第1には、今の日本を明治以前と対比させていることが多い。
日本はこれまで多くの商品を輸出はしてきたものの、それは人的・文化的な交流にはつながっておらず、さらに商品自体もガラパゴス化しているという指摘だ。

第2には移民の問題だ。
これは、人的・文化的交流だけでなく、高齢化と人口減少の解決法としてである。
減少する労働力を補うためには、外国人をより多く受け入れる必要があるとの見方が強い。

第3には、女性の活用だ。
これもやはり、減少する労働力を補う役割が期待されている。

第4には、リーダーシップだ。
日本は、国際的、とくにアジアにおいてリーダーシップを発揮することを期待されている。
しかしながら、日本ですら統率がとれていない今の政治状況では、アジアのリーダーとなるのは厳しいだろう。
国民的にも、国内問題に関心が集まりすぎ、国際的な関心が薄れている感が否めない。

本書の著者は以下の通り。


稲船敬二(comcept代表取締役・元カプコン
岩崎夏海(作家、『もしドラ』著者)
岩谷直幸(マッキンゼー
岡田武史サッカー日本代表 元監督)
岡田元也(イオン社長)
小室淑恵(ワーク・ライフバランス 代表取締役
坂根正弘コマツ会長)
佐々木かをり(イー・ウーマン代表取締役
柴田拓美(野村ホールディングス 副社長)
鈴木エドワード(建築家)
関口和一(日本経済新聞
孫正義ソフトバンク社長)
田中均東京大学客員教授
南場智子(DeNA CEO)
長谷川閑史(武田薬品工業 社長)
弘兼憲史(漫画家、『課長 島耕作』著者)
藤原和博(和田中学校 元校長)
船橋洋一朝日新聞社
前田新造(資生堂 会長)
森 稔(森ビル 社長)
柳井正ファーストリテイリング会長)
山田昌弘中央大学教授)

ベルナール・アルノー(モエ・ヘネシールイ・ヴィトン CEO)
カルロス・ゴーンルノーCEO、日産CEO)
ボビー・バレンタイン千葉ロッテマリーンズ前監督)
ボブ・マクドナルド(P&G CEO)
ドミニク・バートン(マッキンゼー
ピコ・アイヤー(作家)
ゴビンダ・アバサラーラ(ブルッキングス研究所
スティーブ・ヴァンアンデル(アムウェイ・コーポレーション会長)
エズラ・F・ヴォーゲルハーバード大学名誉教授)
チャールズ・エビンジャー(ブルッキングス研究所
ビル・エモット(『エコノミスト』前編集長)
エザード・オーバービーク(シスコシステムズ・アジア・パシフィック・アンど・ジャパン プレジデント)
ゴードン・オール(マッキンゼー アジア会長)
マイケル・グリーンジョージタウン大学准教授)
クリストファー・グレイヴス(オグルヴィパブリック・リレーションズ・ワールドワイド CEO)
ピーター・ケネバンマッキンゼー
セナパティ・ゴパラクリシュナン(インフォシス・テクノロジーズ CEO)
デビッド・サンガー(『ニューヨーク・タイムズ』)
マーサ・シェリル(小説家)
ハワード・シュワルツ(スターバックス・コーポレーション CEO)
クラウス・シュワブ(世界経済フォーラム CEO)
エアン・ショー(マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長)
ブライアン・ソーズバーグ(マッキンゼー
ピーター・タスカ(アーカス・インベストメント)
ジョン・ダワー(マサチューセッツ工科大学名誉教授)
ジョン・チェンバースシスコシステムズ CEO)
ヘンリー・トミックス(『エコノミスト』東京支局長)
ウルリヒ・ネーアー(マッキンゼー
ドミニク・バートン(マッキンゼー
グレン・S・フクシマ(エアバス・ジャパン会長)
タイラー・ブリュレ(『Monocle』編集長、『フィナンシャル・タイムズ』コラムニスト)
ポール・ブルースタイン(ブルッキングス研究所
イアン・ブルマ(作家)
デビッド・ヘンダーソン(マッキンゼー
アダム・ポーゼン(ピーターソン国際経済研究所)
ロバート・ホワイティング(作家)
ケビン・マシー(ブルッキングス研究所
インゴ・ベイヤー・フォン・モルゲンスターン(マッキンゼー
フィリップ・ラドケ(マッキンゼー
トム・リード(『ワシントンポスト』)
ピーター・レッシャー(シーメンスAG CEO)
スティーブ・ローチ(モルガン・スタンレー
グウェイン・ロビンソン(『フィナンシャル・タイムズ』)