責任について
今日、実際にあったことである。
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僕は、牛丼チェーン「すき家」のカウンターで食事をしていた。
隣には、誰もが知る某企業(以下、A社)の制服を着た人が座っていた。
すると、隣の人がドレッシングを手にとった。
と、思いきや、ビチャっと音がした。
ん?と見てみると、ドレッシングが周囲の床に飛び散っていた。
たぶん、ドレッシングを振ろうとしたら、フタが閉まっていなかったのだと思う。
飛び散ったドレッシングは、僕のズボンにもついていた。
びっくりして「おわ!」と声を出すと、
「すみません」と言ってきたので、
「ああ、いいですよ別に」と言って、自分でふき取った。
しばらくすると、その人は食事を終え、そのままレジでお金を払って出て行った。
僕は店員を呼んで、
「すみません、この床、さっきの方がドレッシングこぼしたんですけど」
と言って、床を拭いてもらった。
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この件の論点はいくつかある。
第1に、彼は、誰でも知っているほど有名なA社の制服を着ていた。
それなのに、店の床にドレッシングを撒き散らしてそのまま店を出て行く神経は、ちょっとどうかと思う。
少なくとも僕は彼がドレッシングをこぼしたことを知っているし、僕以外にも見ていた人がいるかもしれないのだ。
しかし、これは彼あるいは彼を雇っているA社が損をしているだけので、比較的どうでもよい。
もう1つの問題は、もう少し複雑だ。
彼が床にこぼしたドレッシングは、僕が店員に言わなかったら床にこぼれたままだった。
「すき家」のスタッフは基本的にカウンター内で作業をしているので、自分たちで発見するのはほとんど不可能だったろう。
そうなると、後に来たお客さんは床を見て、「この店、ドレッシングを床にこぼしたまま拭いてないじゃん」ということになる。
飲食業において「クリンリネス(清潔さ)」は非常に重要だ。
つまり、彼は自社だけでなく「すき家」のブランドイメージを損ねている。
さらに、油成分であるドレッシングに気付かずにお客さんが歩いた場合は、滑って怪我をする可能性が高い。
その場合も、やはり「すき家」の責任が問われることになる。
しかし、これらは「すみません、ドレッシングこぼしました」という一言で解決するのだ。