Bookレビュー2012-vol.14 小野 善康 『成熟社会の経済学』
- 作者: 小野善康
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/01/21
- メディア: 新書
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現代日本の経済状況の原因を「生産力過多」と「内需不足」として、税、国債、金融緩和、貿易など、あらゆる方向から検証した本。
国内では、税金だろうが国債だろうがお金は巡るだけで増えも減りもしない。
お金を多く刷ってもお金を使わなければ消費は減らず、景気は良くならない。
輸出をして外需を取り込んでも、その結果として円高になるので限界がある。
一方で、国内で消費活動をすれば、それは売上となり、給与となり、また消費の源泉になる。そうすれば、余った生産力=労働力は活用され、雇用も回復するという。
「生産性の向上」をひたすら追求すべき時代は終わり、「いかに良く消費するか」を目指す時代かもしれない。