「いじめ」について。(なぜ、いじめるのか)

いじめが話題だ。

今回の件で「春風ちゃん」という人のことも知ったが、子供なのに朝日新聞なんかに載せられて可哀相だと思う。

いじめの反響で残念なのは、「いじめは許せない」という意見ばかりで、構造などについて深く突っ込もうという人がほとんど見つからないことだ。

例えば「いじめ」って、具体的にどういう手法があるのだろう。
殴るなどの直接的な攻撃もあるだろうし、最近ではネットでのいじめもあると思う。
そういった手法が分からなければ、対策のしようもない。

次に、なぜ、いじめられるのか。
例えば、親が貧乏だからとか、経済的な要因かもしれない。
そういった、本人ではなく親や家庭に要因があることも十分考えられる。
その場合は、子供ではなく、親に対策を講じないといけない。
そういう分析はどうなのか。

最後に、なぜ、いじめるのか。
おそらく、これが最も分析不足である。
例えば、アスペルガー症候群というのがある。

アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)

アスペルガー症候群 (幻冬舎新書 お 6-2)

上記の書籍で解説されているが、アスペルガー症候群では、人の感情をうまく感じ取ることができないそうである。
通常、ヒトとモノを認知する脳の部位は異なっており、ヒトを認知する部位は、感情をコントロールする部位でもあるらしい。
これが、ヒトに対して感情を抱く理由と考えられる。

しかし、アスペルガー症候群の場合、ヒトに対してもモノと同様に認知する。
そのため、ヒトに対して十分に感情を感じ取ることができない。
こういったことが原因で、人間関係をうまく構築できない場合がある。

人間関係をうまく構築できなければ「いじめられる側」になる気もするが、場合によっては「いじめる側」になることもあるだろう。
というのも、「相手の気持ちになって考える」ということが難しいからだ。
「気持ちが分からないから、こんなことができるんだわ」なんて言う人がいるが、本当に分からないのだから、どうしようもない。

こういう場合、ケアが必要なのは「いじめる側」である。
時間をかけて「いじめはダメだ」というのを「感情論抜きで」伝える必要があるだろう。
アスペルガー症候群は論理力に長けているので、「いかに自分に不利益か」ということを伝えれば可能だと思う。

原因はアスペルガー症候群に限らないだろう。
「いじめる側」の分析を忌避していると、解決は遠のいていくように思う。