住宅ローンについて。

僕は金融のことは知らないので適当に書いています。

家を買おうと思っている。
なので、家を探している。

家を買うのは、それ以外のモノを買うのと少し状況が違う。
というのも、ふつう、買うモノは値段が決まっている。
その値段を見て、払えるかどうか考えて、買う。

ところが、家は値段が決まっていないのに買うことになる。
これは、住宅ローンというヤツがあるからだ。

住宅ローンは、金利が決まっていない。
そのときどきの金利に左右される。
これを変動金利という。
今だと年利1%以下だ。
けれど、金利が上がれば、支払い額も増える。
1%で借りたつもりが、10年後には3%になっているかもしれない。
こうなると、35年ローンで3000万円ほど借りていた場合、当初の予定より1000万円近く支払いが増えることになる。

一方、金利が決まっている(つまり支払い額が確定している)ローンもある。
固定金利という。
これが、年利2%とかである。
変動金利より高い。

上記の例だと変動と固定で1%しか違わないが、3000万円を35年ローンで借りた場合、金利が1%違うと、最終的に支払う額が500万円くらい違う。
1%は死活問題だ。


ここでいろいろ悩む。
どちらが得なのか。
最終的に、どちらが安くなるのか。

ネットなどを見ると、数年以内に金利が大きく上昇する可能性はない、という意見が多い。
「日本がデフレを脱却しない限り、金利上昇は考えにくい。そしてデフレは国内人口問題や国際経済環境の要因が大きく、デフレ脱却もあまり見えない。つまり、しばらく金利は上がらない。実際、これまでも上がらなかった。だから変動金利が良い。」
以上のような意見が大勢のようだ。

とはいえ、バブル時代はみんな経済成長が当たり前だと思っていた(らしい)し、リーマンショックも予想されていなかった(少なくとも有効な対策を打って回避できなかった)。
「今後、日本経済の成長は見込めないから金利は大きく上がらない」という予想も、どうなるかわからない。
そもそも、35年もの期間を予想することにムリがあるだろう。


そこで、少し考え方を変えてみても良いかもしれない。
もっとシンプルな問いをしてみたい。
変動金利と固定金利のメリットについてである。


変動金利のメリットとは何か。
それは、金利が下がることだ。
年利3%で借りた人が10年後に年利2%になったとしたら、数百万円、支払いが減る。
なので「変動金利にしといてよかった!」となる。

しかし、日本の政策金利はほとんどゼロで、今以上に金利が下がることは考えにくい。
つまり、メリットはない。
せいぜい、現状維持だ。
現状がとても良い(金利が低い)から、現状維持でも嬉しい。
だから、みんな変動金利を選ぶ。

しかし繰り返すが、変動金利の「設定時よりも金利が下がる」というメリットはない。
これは予想ではなく、構造的に、ない。
つまり変動金利の未来は、「現状維持か」「現状より悪くなるか」の2択だ。
そして「現状維持」が35年も続くというのは、歴史的にほとんどない。
最近の日本だと江戸時代くらいではないだろうか。


では、固定金利はどうか。
固定金利のメリットは、金利の上昇時のリスク回避である。
一方、デメリットは、金利下落時のリスクである。
例えば「35年の固定金利3%で借りたら、10年後に金利が2%になった。でも、固定金利の契約なのであと25年間3%を払い続けないといけない」というような場合だ。

けれど、すでに述べたように金利はもう下がる余地がない。
つまり、デメリットはない。
最悪でも「現状維持」である。
その「現状維持」という最悪の事態を除けば、金利上昇リスクの回避というメリットしかない。
そして、すでに述べたように、「現状維持」が35年も続くことはほとんどあり得ないだろう。