Bookレビュー2011-vol.66 瀧本哲史『僕は君たちに武器を配りたい』

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

斬新なデザインの啓発本。

正統なタイトルをつけるとすれば『資本主義社会での生き抜き方』といったところだろうか。

資本主義社会では、根本的に「投資家」と「投資家に使われる人」しか存在しないという前提で、「投資家的」に生きる方法についてアドバイスがかかれている。
本書でも書かれているが、貯金をしている人だって、銀行を経由して間接的に投資に関与している。
とはいえ、それは自分ではコントロールできない投資だ。

投資家的に生きるとは、未来を予測し、自分でリスクをとり、その結果について自分で責任をとることにある。
同時に、自分で責任がとれないほどの投資は行うべきではないとしている。

本書の内容や論旨は、ほぼ同時期に発売された池田信夫イノベーションとは何か』と重複する部分がけっこうあるのだけれど、これは偶然ではないだろう。
日本は大きな曲がり角に来ていて、若者への期待が高まっていることの表れだと思う。