Bookレビュー2011-vol.48 『仙台学 Vol.11』

仙台を拠点とする出版社「荒蝦夷(あらえみし)」が発行している書籍。
一般書店には流通していない。
入手したい方は、荒蝦夷に直接問い合わせるか、ホームページに掲載されている取扱店へ。

http://homepage2.nifty.com/araemishi/


本書は、荒蝦夷が発行している「仙台学」というシリーズで震災後、最初に刊行されたもの。
執筆された時期は4月中旬で、寄稿しているのは東北と縁がある作家である。
特筆すべきは、人気作家、伊坂幸太郎が寄稿していることだろう。

本書で書かれているのは、東北、あるいは東北に縁がある方々の生の声だ。
ここで明らかにされているのは、東日本大震災においては、「被災地」とひと括りにすることは無謀ということである。

例えば、津波の被害に遭った方は、福島の原発の報道が増えるにつれ、絶望したという。
津波の被災地にとっては、原発報道は、東京が勝手に騒いでいるようにしか見えなかったのだ。
日本は原発の対応で必死になり、津波の被災地はこのまま見捨てられるのではないか、と感じたという。

しかし、東京にとっては、津波被害の報道も原発事故の報道も、同じ「被災地報道」だったはずだ。
まさか、原発事故の報道を、宮城や岩手の方が不快に感じているなど思いもしなかっただろう。

「仙台学」は、7月下旬にVol.12が刊行された。
震災の1ヶ月後に執筆されたVol.11とは違い、数ヶ月後に書かれたVol.12には、どのような変化が見られるのだろうか。